部分一致とその他のマッチタイプ

条件によって異なりますが、弊社では部分一致で配信することを推奨するケースが多いです。まずは2024年現在で、設定できるマッチタイプの定義をそれぞれ解説します。

部分一致とは

部分一致とは、ユーザーの検索クエリが広告キーワードの一部である場合に、その広告が表示されるマッチタイプです。

このマッチタイプを利用する主な利点は、広告のリーチを拡大し、予期しない関連キーワードからのトラフィックを捉える機会を提供することです。

たとえば、キーワード「炭水化物 ダイエット」に部分一致設定を適用すると、「炭水化物 ダイエット」や「ロカボ ダイエット」など、違う言葉でも同じ意味であると判断されたキーワードで配信されます。

これにより、広告主は新しい市場セグメントを探索し、予想外の顧客ニーズに応えることができます。

フレーズ一致とは

フレーズ一致とは、ユーザーの検索クエリが広告キーワードを含むフレーズの一部である場合に、その広告が表示されるマッチタイプです。

フレーズ一致は、部分一致よりも制約が強く、完全一致よりも柔軟性があります。キーワード「青いドレス」にフレーズ一致設定を適用すると、「青いドレスを購入」という検索には対応しますが、「ドレスが青い」という検索には対応しません。

フレーズ一致を使用することで、広告主は関連性の高い検索クエリに対して広告を表示させることができ、不要なクリックから広告予算を守りつつ、目的のオーディエンスにリーチすることが可能になります。

このマッチタイプは、広告キャンペーンの精度を高め、広告のパフォーマンスを最適化するために役立ちます。

完全一致とは

完全一致とは、ユーザーの検索クエリが広告キーワードと完全に一致する場合にのみ、その広告が表示される最も厳格なマッチタイプです。

完全一致は、広告の表示を最も関連性の高い検索クエリに限定することで、広告予算の効率的な使用と高いクリックスルーレート(CTR)の達成を可能にします。

例えば、キーワード「青いドレス」に完全一致設定を適用した場合、ユーザーが正確に「青いドレス」と検索した時のみ広告が表示されます。

このマッチタイプは、特定の製品やサービスに対する高い購買意欲を持つユーザーをターゲットにする場合や、広告予算を最も重要な検索クエリに集中させたい場合に適しています。

完全一致を効果的に使用することで、広告主はキャンペーンの成果を最大化し、無駄な広告支出を削減することができます。

部分一致のメリット

部分一致のメリットには、「新しいキーワードの発見」と「機会学習の最適化」があります。これらは、検索エンジンマーケティングやコンテンツ最適化における効率性と効果性を高める重要な要素です。

新しいキーワードの発見

部分一致を利用する最大のメリットは、予期せぬ新しいキーワードや検索トレンドを発見できる点にあります。特にデジタルマーケティングにおいて、消費者の検索行動は常に変化しており、新たなニーズや関心が生まれ続けています。

部分一致を使用することで、これらの変化に柔軟に対応し、新しいキーワードやフレーズを見つけ出すことができます。

例えば、ある商品名を含むキーワードセットを部分一致で設定した場合、その商品名を含むさまざまな検索クエリがキャプチャされます。

これにより、予期しない商品の使用方法や関連する検索フレーズが明らかになることがあります。

この情報を利用して、ターゲティングをさらに精密化したり、コンテンツや広告のメッセージを最適化することが可能になります。

機会学習の最適化

部分一致の使用は、機会学習アルゴリズムのデータセットを豊かにし、その最適化を助けることも重要なメリットです。

機械学習アルゴリズムは、大量のデータからパターンを学習し、予測や推薦を行うため、多様な検索クエリデータがあるほど、その精度は向上します。

部分一致を通じて収集される様々なキーワードやフレーズは、機会学習アルゴリズムにとって貴重な学習材料となります。

これにより、ユーザーの意図や検索行動をより正確に理解し、それに基づいて広告の配信やコンテンツの提案を最適化することが可能になります。

結果として、ユーザーにとってより関連性の高い結果を提供できるようになり、エンゲージメントの向上やコンバージョン率の増加につながります。

これらのメリットを最大限に活かすためには、部分一致を適切に使用し、得られたデータを分析して戦略的な意思決定に活用することが重要です。

新しいキーワードの発見と機会学習の最適化は、デジタルマーケティングの効果を高めるための鍵となります。

部分一致のデメリット

ただし部分一致で配信する場合気をつけなければいけない点が1つあります。

意図しないキーワードでの配信

部分一致の最大のデメリットは、意図しないキーワードでの広告配信が発生する可能性がある点です。

これは、検索クエリが広告キーワードと部分的に一致するだけで広告が表示されるため、関連性が低い検索にも広告が配信されてしまうことがあります。

たとえば、広告キーワードが「スポーツ用品」である場合、部分一致設定では「スポーツドリンク」や「スポーツカー」の検索クエリでも広告が表示される可能性があります。

これは、広告主が意図したターゲットではない可能性が高く、広告費の無駄遣いにつながることがあります。

この問題を解決するには、ネガティブキーワードのリストを積極的に活用し、不適切なキーワードでの広告配信を防ぐことが重要です。

また、検索クエリレポートを定期的に確認し、意図しないキーワードでの配信があった場合には、それらをネガティブキーワードとして追加することで、広告の質を向上させることができます。

さらに、キャンペーンの構造を見直し、より関連性の高いキーワードグループに分けて管理することで、広告のパフォーマンスを最適化し、意図しないキーワードでの配信リスクを低減することができます。

部分一致を最大限活かすために

部分一致キーワードオプションを最大限に活かすためには、意図しないキーワードの除外設定と、効率の良いキーワードを完全一致で入札するという二つの戦略が効果的です。

意図しないキーワードの除外設定

部分一致オプションを使用する際、最大の課題の一つは、広告が意図しないキーワードで表示されることです。この問題を解決するための最適な方法は、除外キーワードリストを積極的に管理し、関連性の低いキーワードや誤解を招く可能性のあるキーワードを除外することです。

例えば、ある特定の商品やサービスに関連しない一般的な用語や、競合するブランド名などを除外リストに追加します。

このアプローチにより、広告の表示がより関連性の高い検索クエリに限定され、不要なクリックコストを削減し、ROIを向上させることができます。

効率の良いキーワードを完全一致で入札

部分一致キーワードを使用して広告キャンペーンを実行していると、特定のキーワードが特に高いパフォーマンスを示すことがあります。

これらの「効率の良いキーワード」は、完全一致オプションを使用して個別に入札することで、さらに効果を最大化することができます。

完全一致でキーワードを指定すると、そのキーワードに完全に一致する検索クエリに対してのみ広告が表示されるため、広告の精度と効率が向上します。

この方法では、パフォーマンスの良いキーワードに対する投資を最適化し、コンバージョン率の向上を目指すことができます。

部分一致キーワードオプションを最大限に活かすためには、これらの戦略を組み合わせることが重要です。

意図しないキーワードの除外と効率的なキーワードの特定により、広告キャンペーンの効果を最大化し、不要な広告支出を削減しながら、関連性の高いオーディエンスにリーチすることが可能になります。

まとめ

この記事では部分一致のデメリットを、運用でカバーすることで部分一致の効果を最大限する方法を解説しました。ただ部分一致一択というわけではなく、キーワードやジャンル、事前準備によっては、フレーズ一致、完全一致で配信していく場合もたくさんあります。

少しでも広告運用に挑戦される方の一助になれば幸いです。