こんにちは!株式会社ピクシスのブログ担当です。

日々進化を続けるSNSプラットフォーム、X(旧Twitter)。そのリアルタイム性と拡散力の高さから、多くの企業がマーケティングやブランディングに活用しています。

先日、X社主催の公式セミナーに参加し、X活用の最新トレンドや効果的なノウハウについて貴重な情報を得ることができました。

今回は、そのセミナー内容を基に、Xを最大限に活用するための実践的なノウハウを、企業のマーケティング・SNS担当者の皆様に向けて分かりやすく解説します。

1. Xの「いま」とプラットフォームとしての進化

まず、現在のXがどのようなプラットフォームなのか、その特徴と進化を見ていきましょう。

  • AIの強み: X上のリアルタイムな投稿は、X独自のAI学習モデルに活用されています。特に、他のAIと比較してデータサイエンス領域に強みを持っている点が特徴です。
  • 動画プラットフォーム化: 動画の視聴時間は前年比で14%増加しており、Xは単なる短文投稿SNSから動画プラットフォームとしての側面を強化しています。最近では「ビデオ」タブも追加され、ユーザーが動画コンテンツを発見しやすくなりました。
  • AIによる広告最適化: 「AI最適化ターゲティング」機能を活用することで、広告効果の向上が報告されています。具体的には、コンバージョン率(CVR)が16%向上、クリック率(CTR)が10%向上といった実績があり、ターゲティングの最適化設定(オン推奨)が重要になっています。
  • 国内ユーザー数と利用状況: 日本国内の月間アクティブユーザー数は6,700万人(2023年時点)。インテージ社の調査によると、主要SNSの中での平均接触率はLINE(90%)に次ぐ55%と高く、ユーザーの平均滞在時間も増加傾向にあります。

このように、XはAI技術と動画コンテンツを軸に進化を続けており、マーケティングプラットフォームとしての価値を高めています。

2. まずは基本!オーガニック運用でエンゲージメントを高める秘訣

X広告の効果を高める上でも、実はオーガニック(無料)でのアカウント運用が非常に重要です。広告から直接ランディングページ(LP)に遷移するユーザーもいますが、広告を見て企業アカウントのプロフィールを確認しに来るユーザーも少なくありません。

2.1. 最重要ポイント:魅力的なプロフィール設定

第一印象を決めるプロフィールは徹底的に作り込みましょう。アカウント名、自己紹介文、アイコン、ヘッダー画像など、企業の個性や伝えたいメッセージが明確に伝わるように設定することが重要です。(※セミナーでは、食事宅配サービス「nosh(ナッシュ)」様の事例が紹介されていました。)

2.2. KPI設定:まずはインプレッションを意識

オーガニック運用の初期段階では、まず「インプレッション(投稿が表示された回数)」をKPI(重要業績評価指標)として意識しましょう。より多くのユーザーに投稿を見てもらうことが、エンゲージメント獲得の第一歩です。

2.3. インプレッションを増やす2つの方法

  1. 投稿頻度を上げる: 定期的な情報発信は、アクティブなアカウントであることを示し、アルゴリズム的にも有利に働く可能性があります。
  2. Xのアルゴリズムを理解する: Xでは、投稿一つひとつがユーザーの反応によってスコアリングされ、そのスコアが高いほど他のユーザーのタイムラインに表示されやすくなります。

2.4. Xアルゴリズムのスコアリング(詳細)

セミナーで公開されたアルゴリズムのスコアリング要素の一部をご紹介します。特にリプライ(返信)や、ポスト(投稿)をタップした後のアクションが高く評価される傾向にあることが分かります。

  • いいね:0.5点
  • リポスト:1点
  • リプライ:27点
  • ポストをタップしてからのいいね、リプライ:11点
  • ポストをタップして2分以上とどまる:10点
  • プロフィール確認後にポストいいね、リプライ:12点
  • ポストへのリプライにエンゲージメント(いいね等):75点

このスコアリングを意識し、ユーザーとの積極的なコミュニケーション(特にリプライ)を促す投稿を心がけることが重要です。

(参考:オーガニック投稿のインプレッションが1日平均20万あるアカウントの場合、年間で約7,300万インプレッションになります。仮に広告で同等のインプレッションを獲得しようとすると、CPM(インプレッション単価)350円と仮定した場合、年間約2,550万円分の価値に相当する可能性があります。)

2.5. エンゲージメントを高める投稿のコツ

Xは、FacebookやInstagramと異なり、テキストとメディア(画像・動画)の両方が注目され、相乗効果を生みやすいプラットフォームです。

テキストで惹きつける:

  • 「いまだけ」「ここだけ」といった限定感を出す
  • 絵文字や「」(カギ括弧)などで視覚的にアテンションを引く
  • ハッシュタグは関連性の高いものを2つまでに絞る(アルゴリズム推奨)
  • お得感は具体的な数字やメリットを示す
  • ユーザーへの問いかけで参加を促す
  • ユーザーインサイト(共感ポイント)を表現に含め、「自分ごと化」してもらう
  • 最後に「詳しくはこちら」「〇〇とリプライしてね」など、明確なコールトゥアクション(CTA)を入れる

親和性の高いフォーマット:

  • 漫画フォーマットはXユーザーとの親和性が高い傾向にあります。(例:雑誌「ターザン」様の投稿)
  • エンタメコンテンツとの相性も抜群です。(例:合同酒精「鍛高譚」×世界のナベアツ様のコラボ)

3. 広告効果を最大化!X広告運用のポイント

オーガニック運用の基礎を固めた上で、X広告を活用することで、さらにリーチを拡大し、ビジネス目標の達成を加速できます。

3.1. 「広告スコア」を理解する

X広告にも、オーガニック投稿と同様に「広告スコア」という概念が存在します。このスコアが高いほど、広告が表示されやすくなります(インプレッションが増加)。

広告スコア = 想定エンゲージメント率 × 入札額

入札額だけでなく、「想定エンゲージメント率」を高めることが、広告効果を最大化する鍵となります。

3.2. 想定エンゲージメント率を高める3要素

想定エンゲージメント率は、主に以下の3つの要素で評価されます。

  1. 関連度:
    • 広告がターゲットユーザーやX上のトレンド、会話とどれだけ関連しているか。
    • Xインサイト(トレンド分析)や顧客インサイトを深く理解し、広告クリエイティブに反映させることが重要です。(例:SUBARU(スバル)様が「#渋滞」というモーメントを捉えて広告配信した事例)
    • ターゲットに響くブランドメッセージ(ベネフィット訴求)を明確にすることも関連度を高めます。
  2. 共感度:
    • 広告がどれだけユーザーからエンゲージメント(いいね、リポスト、リプライ、クリックなど)を得られているか。
    • カルーセルフォーマットは、ユーザーがスワイプするだけでエンゲージメントとしてカウントされるため、共感度を高めやすい傾向にあります。
    • インフルエンサーなど第三者のアカウントから発信してもらう(第三者配信広告)ことも、共感や信頼を得る上で有効です。
  3. 鮮度:
    • 同じ広告クリエイティブを長期間使用し続けると、ユーザーに飽きられ、エンゲージメント率が低下する可能性があります。
    • 目安として2~3週間ごとに新しいクリエイティブに入れ替えることが推奨されます。ただし、非常に高いエンゲージメントを獲得し続けている広告はこの限りではありません。

3.3. 効果的な広告フォーマットの活用

X広告で成果を出すためには、3つ以上の広告フォーマットを組み合わせて活用することが推奨されています。これにより、多様なユーザー層や目的に合わせたアプローチが可能になり、キャンペーン全体の成功確率が大きく向上します。

  • 静止画広告:
    • 最も基本的なフォーマット。1:1(スクエア)の画像サイズが推奨されます。
  • カルーセル広告:
    • 複数の画像や動画を横スワイプで見せられるフォーマット。ストーリー性を持たせたり、複数の商品を紹介したりするのに適しています。漫画フォーマットとの組み合わせも効果的です。
  • コレクション広告:
    • メイン画像(または動画)の下に、複数の商品画像をサムネイル表示できるフォーマット。各サムネイル画像に個別のリンクを設定できます。Eコマースサイトなど、複数の商品を訴求したい場合に特に有効です。
    • 設定方法:広告作成画面でランディングページを「Webサイト」に設定し、クリエイティブタイプで「コレクション」を選択します。
    • ある事例では、コレクション広告の活用によりコンバージョン率が208%改善、CPA(顧客獲得単価)が25%改善したという結果も出ています。
  • 動画広告:
    • 1:1(スクエア)の動画が推奨されます。スマートフォンでの視聴に適したサイズです。
    • 横長の動画素材しかない場合は、動画の上下に静止画像を追加する「コンパニオンバナー」という形式も活用できます。
    • 動画の長さは、15秒以内の短いものがより効果的な傾向にあります。

3.4. 広告配信手法の選択

  • 入札戦略:
    • Xでは「自動入札」が推奨されています。これは、設定された1日の予算内で最大の成果(インプレッション、エンゲージメント、コンバージョンなど)が得られるよう、AIが入札額を自動で調整する仕組みです。ただし、予算消化を最優先するため、場合によっては買付が強化される(単価が上がる)可能性もあります。
    • 状況によっては「手動入札」を選択し、CPM(インプレッション単価)やCPC(クリック単価)をコントロールすることも有効です。手動入札の方が結果的に単価を抑えられるケースもあります。
  • 除外ターゲティング:
    • 特定のキーワードやフォロワー、会話などを除外設定することで、意図しないユーザーへの広告表示を防ぎ、広告の費用対効果を高めることができます。積極的に活用を検討しましょう。

4. まとめ

今回のセミナーで得られたX活用のポイントをまとめます。

  • XはAIと動画を軸に進化を続けるプラットフォーム
  • 広告だけでなく、基本となるオーガニック運用(特にプロフィールとアルゴリズム理解)が重要
  • テキストとメディアの相乗効果、ユーザーとのコミュニケーションを意識した投稿を
  • 広告は「広告スコア」を意識し、「関連度」「共感度」「鮮度」を高める
  • 複数の広告フォーマットを組み合わせ、目的に合った配信手法を選択する

Xは、常に変化し続けるダイナミックなプラットフォームです。今回ご紹介したノウハウを参考に、ぜひ貴社のX活用戦略を見直し、継続的な改善に取り組んでみてください。

株式会社ピクシスでは、XをはじめとするSNSマーケティングに関するご相談も承っております。お気軽にお問い合わせください。